令和8年度(2026年度)は、企業の労務管理やコスト負担に直結する重要な法改正が施行されます。特にシニア層の活躍や、従業員のメンタルヘルスを守るための対策がこれまで以上に求められます。企業の労務担当の皆様におかれましては、早めの制度理解と準備をお勧めいたします。
① 在職老齢年金の支給停止基準額が月に51万円から「65万円」へ引き上げ(4月施行)
平均寿命・健康寿命が延びる中で、働き続けることを希望する高齢者の方の活躍を後押しし、より働きやすい仕組みとすることが、今回の見直しの趣旨です。
【改正内容】賃金(総報酬月額相当額)と年金(老齢厚生年金の基本月額)合計額が「51万円」を超えると年金の全部または一部について支給停止されていましたが、この基準が「65万円」まで引き上げられます。
【実務のポイント】「年金が減るからセーブして働く。」と考えていたシニア層が、フルタイムに近い形で活躍しやすくなります。賃金設計の見直しや面談の機会をご検討ください。
② 「子ども・子育て支援金制度」の創設と徴収開始(4月施行)
少子化対策の財源を確保するため、新たな拠出金制度がスタートします。
【改正内容】公的医療保険(健康保険等)に上乗せする形で、事業主と従業員がそれぞれ負担します。
【実務のポイント】保険料率の改定に伴う給与計算設定の変更が必要です。手取り額の変化について、従業員への丁寧な周知が求められます。
③ カスタマーハラスメント(カスハラ)対策の義務化(10月施行)
顧客や取引先からの著しい迷惑行為(カスハラ)から従業員を守るための措置が、すべての企業で義務化されます。
【改正内容】相談窓口の設置、被害を受けた従業員への事後フォロー、再発防止策の策定などが必須となります。
【実務のポイント】「法的義務」となるため、就業規則への明記や具体的対応マニュアルの整備を急ぐ必要があります。
当事務所では、新制度に合わせた就業規則の改訂やカスハラ対策研修の実施など、実務面でのサポートを承っております。
(日本年金機構 在職老齢年金が改正されます)
https://www.nenkin.go.jp/tokusetsu/zairoukaisei.html
(こども家庭庁 子ども・子育て支援金)
https://www.cfa.go.jp/policies/kodomokosodateshienkinseido
(厚生労働省 労働施策総合推進法の一部改正)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/zaitaku/index_00003.html
(投稿日2026年4月1日)
